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サントリーグルメガイド全国版

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2月号
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2006年2月15日掲載

人気の理由は毎日空輸、鹿児島直送の朝引き地鶏の素材感「薩摩地鶏 吹上庵」

「薩摩地鶏 吹上庵」写真

地鶏すきやきはコクのある甘い割り下との相性抜群。地鶏、野菜からの旨味がさらに加わったら、最後は是非親子丼を食べて欲しい。
食通も納得の吹上の平飼い地鶏にリピーター多数
 01年に神戸三宮に1号店を構え、瞬く間に人気を呼んだのが「吹上庵」。その2号店が04年10月に大阪・北新地にオープンした。本当に美味しい鶏を食べさせたいとはじめた店だが食い倒れの町で支持されているようだ。
 オーナーの山口さんは実はバーテンダー。今も三宮に知らずと知れた隠れ家的バーを構える。その山口さんの故郷が鹿児島県吹上町という所。それ故、鹿児島に自家養鶏場を構え、そこで大切に飼育した薩摩シャモと名古屋コーチンの肉を毎日、店で使う分だけを空輸している。
 地鶏は平飼いされ、昼間の間だけ放し飼いにして飼育されている。一見、常時放し飼いの方が良いかと思うかもしれないが、実は運動をし過ぎても、筋肉がつき過ぎ、身が引き締まりすぎて、食するときには硬くなってしまうそう。そのため、時間を調整しながら散歩をさせ、肉質を調整しているというこだわりには脱帽だ。また、一般的な鶏肉は生後30日程度で出荷されるが、ここの鶏はもっとも美味しいとされる、生後180日経過したものを出荷している。ちょうど玉子を生み出す頃が身に、一番脂がのり、ほどよく引き締まり、味も濃厚になるのだ。
 朝引きし、血抜き、中抜きのみを鹿児島で行い、本格的にさばくのは店。そのため鮮度は抜群。刺身にしても、特有の臭みは全くない。すき焼きやしゃぶしゃぶ、水炊きなどの鍋や、焼き物に使う鶏も生のまま食べられるものを使っているというから正に贅沢の極み。2種の鶏はそれぞれ特長を活かしたメニューになる。これも鶏のことを熟知し、研究した結果から。薩摩シャモは歯ごたえ充分で筋肉が程よく引き締まり、身が赤身かかっているのが特長で、刺身として美味。一方、名古屋コーチンは脂ののりが良く、しっかりした歯ごたえはあるが、噛み心地はやわらかい。
珍しい部位の刺身や目の前で焼かれる地鶏に舌鼓
 刺身盛り合せやコースメニューにセットになった刺身にはモモ、ムネ、ササミに加え、珍しいズリとハツを加えた全5種類の部位が入るので、少しずつ色々な食感が楽しめる。あっさりとした白醤油とショウガで食せば、全く臭みもなく、ジューシーでハリのある肉質が楽しめる。
 焼きものは各テーブルに七輪をスタンバイし、目の前で焼き上がりを待つ。絶妙な焼き加減が大切なのだが、ご安心を。女性スタッフが目を離さず、丁寧に、もっとも美味しい状態に焼き上げてくれる。中でも人気なのは、1日30本限定の手羽先が人気だ。こんがりとカリカリに焼いた皮とジューシーな肉を同時に味わえるのが旨さの極み。海草、香草、ピンクペッパーをオリジナルブレンドしたイタリア産の岩塩はマイルドで鶏肉の旨味を引き出してくれる。他には沖縄産の細かい塩や山椒、一味唐辛子、七味唐辛子はお好みで。弾力のある歯ごたえとじわっとあふれ出す肉汁がたまらなく旨い。

「薩摩地鶏 吹上庵」写真

皮の脂で玉ねぎを炒めてから割り下、鶏モモ肉、野菜の順で加える。玉ねぎの甘さがじんわりと美味しさを増すそう。

「薩摩地鶏 吹上庵」写真

モモとムネは皮を炭火で軽く炙っているため、歯切れが良く、香ばしさも最高だ。

「薩摩地鶏 吹上庵」写真

目の前でジュージューと焼かれる香りと音に食欲が増してくる。ミネラル豊富な自家製ブレンドの塩、沖縄の塩、山椒、一味、七味など好みのものをつけて味わおう。

生でも食べられる地鶏を贅沢にも鍋に仕上げる

 刺身や焼き物もいいが、まだまだ寒いこの時期にはやはり鍋料理が欠かせない。ここでは地鶏しゃぶしゃぶ、水炊き、すきやきの3種の鍋料理が用意されている。もちろんどの鍋にも朝引きの新鮮地鶏を使っているというから贅沢だ。
 地鶏しゃぶしゃぶはモモ、ネック、ムネ肉を薄切りにして提供してくれる。新鮮なので、薄いピンク色程度に軽く湯に通すだけが食べごろ。自家製のポン酢であっさりいただこう。三つ葉や白ネギ、シイタケ、白菜の芯など8種の具材にも鶏のダシが染み渡り、滋味深い味わいに仕上がる。ポイントはキャベツ。濃厚な鶏ダシともっとも相性が良いとの理由から白菜でなくキャベツをメインにしている。キャベツ本来の甘みも加わって、よりコクのあるダシへと変化していく。このスープを最後まで堪能できるラーメンで締めたい。
 水炊きにはモモ肉を使う。一口サイズに角切りしたモモ肉を、じっくりと鶏の旨味が凝縮した自慢のガラスープに加える。白菜、細かく刻んだ白ネギもたっぷりと加わる。調味料は塩のみ。鶏ガラからの濃厚なエキスでコクと旨味があるので、塩のみで充分なのだとか。好みだが、ポン酢もいらないほどだ。スープをすすりながら食べるのが通の食べ方。締めには同じく鹿児島から直送の新鮮な玉子と作るぞうすいを食べることができる。
すきやきのみの裏メニューは必食の価値アリ!
 人気のすきやきは濃厚な甘みのあるダシが特徴だ。鉄鍋に皮で鶏の脂を出し、玉ねぎを炒める。しんなりとしたところで、地鶏を加え、さらに特製の割り下を加える。割り下を加えたとたん、ジュッワーっという音とともに甘い香りに包まれる。醤油と砂糖の香ばしい香りがたまらなく食欲をそそる。そこに、白菜、シイタケ、サトイモ、ゴボウ、本エノキなどの野菜や豆腐、麩などを加え、火が通ればできあがり。雑味のない甘辛い割り下が各素材にじっくりとしみ込む。ぷっくりとした地鶏は最高の味わいだ。締めのうどんにもこの割り下がしみ込み、おなかがいっぱいでも別腹で食べられてしまうから不思議。
 すきやきにのみ、特別な裏メニューがある。新鮮な地鶏の玉子を使った親子丼だ。黄金色に輝く玉子が目に眩い。ふんわりとした玉子と濃厚な割り下とごはんが三位一体となり、相性は抜群。
 その他、ちょっと食べたいときには、地鶏のソテーなどアラカルトもあるので、腹の具合に合わせて使い分けできるのも嬉しい限りだ。酒に一過言あるオーナーの目利きで揃えた地酒やプレミアム焼酎も揃い、その他ワインやウイスキーなどのアルコール類も充実のラインナップ。店内にはゆっくりとくつろげる座敷席、商談などにも使えるテーブル席、じっくりと話し込みたい個室など用途に合わせて使い分けたい。
 舌の肥えた通をも唸らせる極上の鶏料理専門店は知っていれば得する押さえておきたい一軒。リピーターが多いというのにも納得。

「薩摩地鶏 吹上庵」写真

テーブル席、座敷、個室と用途によって使いわけることができる。

「薩摩地鶏 吹上庵」写真

鍋や網は可愛らしい女性スタッフが給仕してくれるので楽チンだ。
薩摩地鶏 吹上庵(さつまじどり ふきあげあん)
薩摩地鶏 吹上庵 地図
お店情報

大阪市北区曽根崎新地1-1-5 GOTS北新地ビル7号館 1F
[TEL]06-6346-2239
[営業時間]17:00〜23:00(最終入店)
[休み]日祝

メニュー

地鶏刺身盛り合わせ(5種) 2500円
地鶏焼き物盛り合せ(7種) 3500円
地鶏しゃぶしゃぶ(ラーメン付) 5500円
地鶏すきやき 5500円
地鶏水炊き(ぞうすい付) 6000円
刺身、焼き物、すきやきまたはしゃぶしゃぶのコース 6500円
刺身、焼き物、水炊きのコース 7000円

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