サントリーグルメガイド全国版

サイトマップ
4月号
バックナンバー
2006年4月19日掲載

横浜駅からわずか5分でトリップできるイタリア「Trattoria Pizzeria 'O Pulecenella」

「Trattoria Pizzeria 'O Pulecenella」写真

イタリア産うさぎモモ肉のローストは、淡泊なモモ肉と濃厚なレバーのハーモニーが堪能できる。
店のシンボルはイタリアの伝統的な道化師
 横浜駅西口を流れる新田間川。その岸辺に連なる桜並木に面した瀟洒な石造りの建物が「オ・プレチェネッラ」だ。01年10月にオープンしたこの店は、ランチもディナーも予約必至、横浜ばかりか遠方から足を伸ばす常連も多い、話題のイタリアンだ。
 店頭に掲げられた看板には、「VERA PIZZA Napoletana」という文字。これは1000軒以上のピッツェリアがあると言われるナポリで、1984年に設立された『真のナポリピッツァ協会』のメンバーである証し。『真のナポリピッツァ協会』には、「生地に使用する材料は、小麦粉、酵母、塩、水の4つのみ」「生地は手だけを使って伸ばす」「窯の床面にて直焼きする」など6項目の条件があり、これらをクリアしたお店だけがメンバーとして認定される。
 ちなみに、先ほどの看板にも描かれている『真のナポリピッツァ協会』のシンボルマークはピッツァを焼いている道化師で、イタリア語で「オ・プレチェネッラ」と呼ばれる、オペラにも登場するピエロ。つまりこの店名の由来なのだ。
 木の扉を開けて店内へ入ると、南イタリアをイメージした明るい雰囲気のフロアが広がる。厨房からホールまで、スタッフは男性ばかり。本場さながらのカメリエレ(ウエイター)たちが、テーブルの間をきびきびと動きまわる。天候の良い日には、大きくとったガラス窓を全て開け放ち、さらにイタリア色の濃いオープンエア風のレストランに変身するとか、異国のような空間と料理に身をまかせているうちに、ヨコハマにいることを忘れてしまいそうだ。
水牛モッツァレラのマルゲリータは必ず食すべし
 ピッツェリア部門を取り仕切るピッツァイオーロ(ピッツァ職人)は、「ボーチェ・エ・ノッテ」などナポリの名店で修行を積んだ高田太郎さん。大阪での学生時代、就職活動最中に雑誌でピッツァを見つけ、それを食べてみたくなって東京へ来たという。そのとき口にしたナポリピッツァの美味しさに衝撃を受け、休学までしてピッツァのイロハを勉強したそうだ。「卒業後にナポリへ渡って1年2ヶ月、修行しながら100軒くらいピッツァを食べ歩きました。その時に様々なピッツェリアの味をメモしたノートは今でも宝物ですね」。
 厨房にそびえる石窯は、ナポリから取り寄せたもの。高田さんが「ピッツァの命」と言い切る生地は「イタリア産の小麦粉だけだとグルテンが強くて重くなってしまう」ため、国産小麦粉をブレンド。シチリア産の海塩がほんのり効いた厚い耳部分は、モチモチかつフワフワな食感が楽しめるように仕上げられている。ピッツァは本来、コース料理に組み入れられるものではないが、このお店では、前菜からはじまりドルチェで締めくくる食事の流れの中の一品として、パスタと同じく、前菜とメイン料理の間に登場する。その流れを大切にした軽い食感と程良いボリュームに、若きピッツァイオーロのこだわりが込められているのだろう。
 「ナポリを代表するピッツァであるマルゲリータには、ブーファラ(水牛)のモッツァレラを使っています。ナポリ近郊のカセルタ産のものを空輸しているので、まさに本場そのものの味ですよ」。何とこのモッツァレラ・ブーファラは、カセルタで製造してから24時間ほどで横浜へ届いてしまうそうだ。

「Trattoria Pizzeria 'O Pulecenella」写真

豚ホホ肉塩漬け、パルメザンチーズのガレットと共にビエモンテ風ソースで食べるホワイトアスパラ。

「Trattoria Pizzeria 'O Pulecenella」写真

いかにも耳が香ばしそうなマルゲリータベッラは水牛のモッツァレラチーズを使ったピッツァ。

「Trattoria Pizzeria 'O Pulecenella」写真

パセリ風味の自家製キタッラの真鯛のコンフィとウイキョウ和え。サルディーニャ産カラスミをかけて。

「Trattoria Pizzeria 'O Pulecenella」写真

イチゴのミルフィーユは、季節のフルーツたっぷりのマチェドニア付き。

「Trattoria Pizzeria 'O Pulecenella」写真

イタリア風というよりは、イタリアそのもののような空間。

「Trattoria Pizzeria 'O Pulecenella」写真

「真のナポリピッツァ」を受け継ぐピッツェリアとして世界175番目の認定店に。

イタリアンの奥深さを語りかける多彩な料理

 片や、トラットリアのシェフは細川博樹さん。1年間に渡って研鑽を積んだイタリア北部のピエモンテ州やエミリア・ロマーニャ州などで習得したレシピをいかし、郷土色豊かな料理を生み出す。
 野菜やハーブ類は季節を感じさせるもの、自分が美味しいと思ったものを積極的に用いるのが信条だ。例えば春のオススメは、フランス産やイタリア産のホワイトアスパラ。特に5月いっぱい楽しめるイタリア産は、独特の甘味とほろ苦さがあり、産地として名高いバッサーノ・デル・グラッパは、ホワイトアスパラの発祥地とも言われているとか。
 また、今回の「パセリを練りこんだ自家製キタッラ、真鯛のコンフィとウイキョウ和え」などに使われるパスタ類は、ほぼ全てがシェフの手作り。石窯で焼いたパンから作るパン粉を練った耳たぶのような形のピサレイ、サフランを練り込んだタリオリーニ、幅広麺のパッパルデッレ、ジェノベーゼソースにぴったりな巻き貝状のトロフィエ、ウンブリア州名物の極太麺ウンブリチェッリなど、とてもホームメイドばかりとは思えないラインナップを誇る。
 セコンドの「詰め物をしたイタリア産うさぎモモ肉のロースト セージ風味」は、うさぎのレバーなどをモモ肉でくるんでからローストし、うさぎの出汁と野菜を合わせたソースを添えた一品。このうさぎをはじめ、宮崎県産の甘茶豚、近江産黒鶏、山形牛など、肉料理にも国内外を問わず選び抜いた食材が使われている。
 一方、魚介類は、三重県尾鷲市の漁港から直送されるものが中心で、その内容によって料理を決めるスタイルゆえに、カルパッチョ、コンフィ、白ワイン蒸し、ソテー、グリル、リゾット、パスタなどシェフのアイディアは自由自在、メニューは毎日書き換えられる。「旬の珍しい魚が少しだけ入荷して、2〜3人前作ったら終わってしまうようなこともたまにありますよ」と細川シェフ。全ては漁次第、水揚げ次第。そういう意味ではまさに、ナポリの港近くにあるトラットリアのシェフのような気分なのかもしれない。
Trattoria Pizzeria 'O Pulecenella(トラットリア・ピッツェリア・オ・プレチェネッラ)
Trattoria Pizzeria 'O Pulecenella 地図
お店情報

神奈川横浜市西区北幸2-13-1
[TEL]045-314-1050
[営業時間]11:30〜14:00(LO)、18:00〜22:00(LO)
[休み]月(祝日の場合は火)

メニュー

ホワイトアスパラガスの冷製 パルメザンチーズのガレットとグアンチャーレ(豚ホホの塩漬け)を添えて 2100円
ピッツァ・マルゲリータベッラ(水牛のモッツァレラチーズを使ったマルゲリータ) 1500円
パセリを練りこんだ自家製キタッラ、真鯛のコンフィとウイキョウ和え サルデーニャ産カラスミと共に 1890円
詰め物をしたイタリア産うさぎモモ肉のロースト セージ風味 3360円
イチゴのミルフィーユ マチェドニア添え 840円
ランチ 1500円〜
ディナー 6000円〜

掲載情報は2006年4月現在のものです。

ページの先頭へ

※それぞれのお店のメニューや営業時間などの掲載情報については、予告なしに変更されることがありますので、念のためお店にご確認の上ご来店くださいますようお願い申し上げます。