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勝手にトレンドウォッチャー 次は絶対、コレが来る!専門家が次のトレンドを大予想!?

飲食店プロデューサー、フードコーディネーター、マスコミ業界人など、食に関わる専門家が「次なるトレンド」というテーマで私論を展開します。当たるも八卦、当たらぬも八卦。さて、今月の専門家は何を予想しますやら…。

1月のゲスト 出原和枝 フードコーディネーター 私が気になるもの エイシー

’06年最初のトレンドウォッチャーはフードコーディネーターの出原和枝さんです。飲食店のメニュー提案や雑誌などのレシピ制作に勤しむ中で、彼女が最も注目しているのはエジプトのパンである「エイシー」だとか。自身も無類のパン好きで、「こんなに美味なら流行ってもおかしくはない」と話します。日本ではかなりマイナーな存在でも中近東では日常食だとか。早速、「エイシー」について紹介してもらいましょう。

出合いは一冊の本から。エジプトのパンに目が釘づけ

 よほどのパン好きじゃないと、この名前は知らないでしょうね。ネットで検索しても4つぐらいしかヒットしませんし、出てきても「エイシーというパンがあるらしい」と曖昧な表現が。日本では全くマイナーなパンですが、中近東では日常的なもので、露店でもよく見かけるほど。まさしく隠れた商品と言えますねぇ。
 そもそも私が「エイシー」を見つけたのも偶然のこと。7年前に「地中海手作りパンの旅」(竹野豊子著、講談社刊)という本をある人からもらい、読んでいくうちにこのパンに興味を持ったわけです。私のパン好きは業界でも有名で、フードコーディネーターを志していた頃は毎日家でパンを焼いていました。中学時代に菓子パンに目覚めてから、いかに食パンを美味しく焼くかを追求し、趣味が高じてこの仕事に就いたとも言えますね。
 そんな私ですからこの本を手にすると、すぐに「エイシー」づくりに取りかかりました。
最初は竹野豊子さんのレシピ通りに。やがてそれを基に私なりにアレンジを加えて行きました。
 このパンの特徴は全粒粉を用いているところにあります。通常のパンは強力粉をメインに作りますが、「エイシー」は全粒粉と薄力粉、強力粉で作るんです。私は竹野さんのように実際、エジプトに行ったことがないので、本場のものは知りませんが、もしかしたら中近東では全粒粉ばかりで作っているのかもしれませんよ。
 表面にも全粒粉が付いているから香ばしく、生地にしっかりした粉の味がついているなと実感できるパンなのです。一説によればエジプトってパンの発祥の地と言われるじゃないですか。だから「エイシー」にはパンの原型があるのかなって思っています。

全粒粉写真

作り方は簡単。一度チャレンジしてみては・・・

 では、ここで「エイシー」の作り方を紹介しましょう。
<材料>3枚分

強力粉 110g
全粒粉 40g
薄力粉 50g
ドライイースト 4g
ぬるま湯(30℃くらい) 120cc
レモン汁 少々
打ち粉用全粒粉 適量

作り方写真

<作り方>

(1)

をボウルに入れて混ぜ合わせる。

(2)

ぬるま湯にドライイーストを入れてよく混ぜ合わせる。

(3)

(1)に(2)を注ぎ入れ、全体をざっくりと混ぜ合わせ、レモン汁を加える。

(4)

あまり練らないように手でこねて、ひとまとめにする。ラップをかぶせ、そのまま約20分おいて1次発酵させる。

(5)

生地を3等分にして丸め、ラップをかぶせて約10分間休ませる。

(6)

台の上に打ち粉用の全粒粉を散らし、生地を麺棒で伸ばす。

(7)

180℃に予熱したオーブンで約10分間焼く。

 通常のパンだと1次発酵に1時間20分ぐらいかけるのですが、「エイシー」は簡単にしかしておらず、おまけに2次発酵をしないという特徴があります。たたいて伸ばすという工程もなく、生地をひとまとめにさせるだけ。実際、やってみると、ボソボソと練りにくく感じますが、あまり練らなくとも大丈夫。さっと混ぜるだけでOKなんです。こうして見ると、見るからに昔のパンという感じがしませんか。できあがりもふわふわしていず、ペタッとしているんですよ。
 「エイシー」はまず日本のパン屋では手に入れることが無理かも。だから上記のレシピを参考にして家庭で作ってみてはどうでしょう。簡単なんで誰にでもできますよ。

ヘルシーで、どんなものにも合いやすい

 では、なぜこれが次代のトレンドかと言うと、昨今のヘルシーブームにその因はあります。一時は白米主義だった日本人も、ヘルシー志向で玄米ごはんを食べるようになりました。これと同じで、イースト菌でふわふわしたパンもいいですが、パンをヘルシーという観点からつきつめて行くと、原点となる「エイシー」に辿り着くのでは、と私は考えます。
 フォカッチャだって、ピタパンだってまだメジャーではないかもしれませんが、パン愛好家でなくてもその名前は知っているはず。ベーグルも今ではメジャー級ですが、数年前まではあまり知られていませんでした。ちなみにベーグルはニューヨークのパンと誤解している人も多いようですが、実はユダヤのパンなんですよ。日本人はフランス=パンのイメージが強いようですが、美味しいものは色んな所にあるんですね。
 さて、私流に食べ方を伝授するなら、「エイシー」をシンプルにバターやクリームチーズをつけて、生ハムを載せて、ワインのおつまみにすると美味しく食せます。このパン自体に強烈な個性があるわけじゃないので、どんなチーズにも合いますし、オリーブオイルにつけて食べるのも、サンドイッチ感覚で食すのもいいんじゃないでしょうか。
 全粒粉が効いていて噛みごたえや食べごたえがあるこの「エイシー」を飲食店で出してトレンドを作ってもらえればというのが私の願いです。特に、これをご覧のカフェのオーナーには、メニューに最適だと私が太鼓判を押しますので、ぜひ用いてみてはいかがでしょう。こうして広めていくことで、今では自分で作るしか食べる道がなかった「エイシー」もそのうち飲食店で食べられる日が来るのではと、密かに考えています。

出原和枝さんと焼き上がりレイシー写真

プロフィール

出原和枝(いではらかずえ)

辻学園のフードコーディネーターセミナーを受講したのをきっかけに商社のOLを辞め、フードコーディネーターに転身。100円本の料理制作を機に、雑誌や冊子に出原流の料理レシピを披露。5年前に(有)イデフードスタジオを設立、家電メーカーの料理のレシピ制作の他に、飲食店の器のコーディネートやメニュー提案も行う。現在、06年2月オープン予定の上海の日本食レストランプロデュースにも参加。グローバルな形で飲食店業界に接している。

出原和枝さん写真

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